私を置いていく背中
私は
私を置いていく背中ばかり
見続けてきた
子どもの頃は
共働きの両親の
私を置いていく背中を毎日眺めては
帰りを待った
夜遅くまで
いつまでも
そして
あなたもそうね
いいのよ
私には
それが普通だから
心細さを隠して
笑顔で
お帰りを言う
今日も
疲れた様子ね
それでも
笑顔で
ただいまを言って
一緒に食卓を囲む
あなたの話すことなら
たとえ愚痴でも
それで心が軽くなるなら
喜んで聞くわ
話す気分じゃないなら
黙っていてもいいのよ
一緒にいられる時間を
ずっと待ちわびていたから
あなたの好きにしていいわ
それでいい
そう思いたいのに
たまには
早く・・・
だなんて
小言を言いたくなる
それって
わがままかしら?
当たり前のように
私を待たせることに
不満と寂しさを感じてしまうのは
いけないことかしら?
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