都合のいい人
私はどちらかというと
いい人というよりは
都合のいい人だと思う
コミュニケーションを取る際
必要最低限
自分で考えて
主張することはあるが
基本的には
相手に合わせて
聞き手に回っている
相手によっては
自分の話をしたくてたまらないし
自己主張を聞かせて
承認欲求を満たしたくて
たまらない
そういう面倒な相手には
聞き手に回る方が
調度良いのだ
まず
そういう相手に
いくらこちらの考えや気持ちを伝えても
「へえ、そうなんだ」と
いったん
社交辞令的に聞きはするが
すぐに流して
自分の話をだらだらとし始める
こちらが返答するいとまを与えないし
聞く気もないのだろう
だから
そういう面倒な相手に
主張は意味をなさない
適当に話を合わせて
上手く折り合いを付けるほうがいい
保守的で臆病と言われてもいい
ただ
これだけは主張したい
あなたたちのつまらない欲求を満たしているのは
聞き手に回る私のような
あなたたちに都合を合わせている
都合のいい人だ
決して
自分の考えがないわけではないし
あなたたちが聞き入れようとしないから
言わないだけ
言ったら
攻撃してくるたちの悪い人もいる
私はそんな無用なストレスに耐えたくないし
できるだけ穏やかに事を収めたいだけ
だから
いい人と思わなくてもいい
自分の考えをどこまでも貫き通す勇者にはなれないし
なる気もない
私はその他大勢の民衆の一人に過ぎない
それでも
自分の考えは存在していて
相手によって
対応を変えているだけ
それは
決してずるい生き方ではないし
楽な生き方でもない
私は私なりに
一生懸命に生きているのだ
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