花が美しいのは

至るところで
桜が満開に咲き乱れる頃

職場に咲く
この名も知らない
白い花も
一斉に咲き誇った

小さな蝶の
白い羽を
散りばめたような
可愛らしい花で

職員玄関の
庭先にあるこの花は
いつも私の心を
和ませてくれている

桜も素敵だけれど
この名も知らない花に
私はいっそう
胸をときめかせている

桜は
美しい花として有名だからこそ
つい
その先入観で見てしまうけれど

この花は
何の先入観も
代名詞もなく

ただ
そこにいるだけで
心を癒してくれる

率直に
心から美しいと
思わせてくれる花だ

もちろん
桜も魅力的だと思う

ところで
花はなぜ
美しいのだろう?

それは

人に見られたいから
美しくあろうと
しているというよりは

ただひたすらに
咲けるときに
咲きたいから

雑じり気のない
その一念が
花の魅力を引き立てるから

見る人の
心を掴むのだと思う

その想いは
桜も
この白い花も同じだろう

花は
自分がどのような名で
呼ばれているかは
知らない

桜だから
美しく咲くのだとか

そんなことは
関係なくて

花としての本分を
全うしようと
どの花も
懸命なだけだ

ただ
懸命に生きる姿が
美しいのだ



22/03/28 15:14更新 / アキ
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