春に舞い落ちる雪の花びら
梅が咲き
桜のつぼみが膨れ
色づく時期に
しんしんと
空から舞い落ちる
雪の花びら
冬の間に
降りきれなかった
天上に咲く
雪の花々が
未だ空に残っていたのだろう
寒気に乗って
いざ行かんと地上へと
いっせいに舞い落ちてきた
だんだんと
春の色に染まってきていた風景に
再び白が重なる
若葉の黄緑色や
梅の薄紅色にも
雪の花びらが覆い
季節外れは
興ざめするものかと思いきや
とんでもない
むしろ
春と冬のコラボに
非常に感銘を受けている
ゆったりと舞い落ちる
雪の花びらは
私が手を差し出してしまえば
体温のせいで
溶けて消えてしまう
だから
空が晴れて
暖かな春の陽光に当てられてしまえば
降り積もった
雪の花びらは全て
消えていってしまう定めなのだ
その
雪の花びらの
繊細で儚げな様もまた
美しい
雪の花はおそらく
春に恋焦がれて
地上に落ちてきたのだろうか?
だとしたら
春に触れ
春の温もりを味わいながら消えていくことは
本望かも知れない
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