その子の孤独

その子は
苦しくても
救いを求められない子だった

その子は
生かされながらも
殺されていた

人権は尊重されていて
幸せは享受でいていた反面

その子を罵り
支配しようとする勢力の
攻撃を受け続け

凜として
受け流してきたものの

心が休まることはなく
それでも心の姿勢を
崩そうとはしなかった

傍で見守り
支えようとする存在はいて
感謝の心は持ってはいても

助けて欲しいと
言うことは出来ない

おそらくは
できる限りのことはしてくれている

一緒に
立ち向かってくれているのだろうけれど

いや
これ以上のことは言えない

許してくれ
すまないという声

どうしようも
ないのだろう

ボロボロなのは
同じだろうから

すがりたくはない

助けを切望して
期待通りに事が運ばなければ

酷く
取り乱して
絶望するだろう

だから
助けを求められない

その子を
苦しめるものは何?

その子が
闘うものは何?

ふと
よぎった想い

世界の安寧のため
人々の安息のために

自分を礎として
身を捧げた

捕らわれつつも
良いものと
そうで無いものの
バランスを維持するために

その子は
生きることを受け入れた

とても勇気のいる選択だと思う

だけど
その子の孤独は
悲しすぎる

犠牲になっていると
悲観することも許さず

ただ
己の宿命に従って
生きている

宿命の奴隷には
ならないで

あなたは
よくやったよと
言いたい

22/02/12 21:31更新 / アキ
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