迷子と星の子
森でさ迷う
坊やが
星の子を拾った
星の子は
空から落ちてきた
空に投げてくれたら
願いを叶えてあげるよと
星の子は言った
坊やは
星の子を空に投げた
坊やは言った
お母さんと
仲直りできますようにと
星の子はキラリと
空に光ったかと思うと
再び
地上へと向かって
落ちてきた
坊やは
すかさず星の子を
キャッチした
星の子は言った
願いごとの叶え方
忘れちゃった
お母さんと仲直りするには
まず帰らないといけないでしょ?
暗い森の中
帰るのは大変だから
家に着くまで
僕が灯りになってあげるよ
星の子は煌々と光り
ランプとなって
森を照らした
まぶしい光は
どこまでも明るくして
元来た道を
導き出してくれた
坊やは
森を抜けることが出来た
お母さんと仲直り
出来るかな?
坊やは
ポツリと呟いた
大丈夫だよ
この森を抜ける
勇気があったんだからと
星の子は言った
でも
君がいたから
出来たんだよ
坊やは
心細そうに言う
星の子は言った
僕がついてるよ
勇気出して!
星の子を握り
家路に着いた坊やは
玄関の戸を叩いて言った
お母さん
悪いことをして
ごめんなさい
すると
玄関を開けたお母さんは
何も言わずに
ギュッと坊やを抱き締めた
坊やも
お母さんを
抱き締めた
ふと
手の中を見ると
星の子はいなくなっていた
坊やの
仲直りしたいという
願いが叶ったからでしょうか?
坊やとお母さんを
星の子は
空から眺めて
微笑んでいるのでした
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