晩秋の散歩
日曜日の朝
眠りすぎて
なまった体を起こしたくて
お日様も顔を出し
辺りが明るく心地よさそうだったので
家の裏のあぜ道を散歩した
人通りが少なく
聞こえるのは
虫たちのちりちりと鳴く声や
農夫婦の語らう声
どれもうるさ過ぎず
心地よく響いてくる
そして
温かな日差しとは対称的に
冷たく吹いてくる風
上着を着てこなかったのは
冷えた風を感じたかったからだ
あぜ道の草が
所々白くなって
からからと枯れている
田んぼも
稲を全て刈り終えていて
新たな緑色の稲が生えたところもあれば
焼き畑をしたのか
黒く、または灰をかぶって白くなっている
ところもある
家を出たときに感じた
灰の臭いは
どうやらここから来たらしい
灰の匂いも香しく
どこか懐かしさを感じる
白や黒に変化した田んぼも
また晩秋を感じさせてくれて
風情がある感じがする
夏の終わりだったか
秋頃だったか忘れたが
用水路で見かけた
黒の蜻蛉は
もう見かけない
どんどん冬へと
季節は進んでいく
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