満月を眺めてあの姫のことを想う
今晩は
中秋の名月
真っ暗な夜空に
雅な輝きを放つ
満月
なんとも例えようがない
美しさ
竹取物語に出てくる
かぐや姫も
この月のような人だったのかしら?
5人の貴公子が
どうしても手に入れたいと
こいねがった相手
その人は
罪を償うために
月から下界に下ろされた
天女だった
でも
その前に
彼女は
竹取の翁と媼に
慈しまれて育った娘であり
彼女もまた
普通の娘として
いきたかったに違いない
だから
貴公子達に無理難題を押しつけて
結婚を拒んだ
月に帰ること
翁と媼と別れることを
嘆いた
月に帰る
十五夜の夜
かぐや姫は
どのような思いで
月を眺め
羽衣を着せられて
下界での記憶がなくなった後は
どのような思いで
下界を離れていったのか?
私がこうして月を眺めているように
かぐや姫もまた
月から地球を眺めているのだろうか?
記憶がなくなり
ただぼんやりと眺めているだけだとしても
何とも言えない懐かしさが込み上げ
ふと頬に
涙が伝っているかもしれない
なぜ
こうも涙が流れてくるのだろう?
その涙の意味を
探っているかもしれない
そんなことを思いながら
満月に住んでいるだろう
その姫のことを想った
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