あなたの帰り

幾たびも
「帰ってきたかしら?」と外をチラ見して

あなたの車の音も
「ただいま」の声も
聞こえない

もう、どれだけそれを
繰り返したのかしら?

「来たかしら?」と思えば
気のせいで

待てど、待てども
帰ってこない

いいえ、あなたは
私のことなど気にしなくていいのです

あなたがゆったりくつろいで
疲れを癒やせるように
私は私のやるべきことをしています

どうぞ、気がすむまで
お仕事なさって下さいな

そう自分に言い聞かせ
せっせと働き
手を動かしつつも

待ちわびてしまうわ
あなたの帰りを


19/10/02 22:57更新 / アキ
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