ひこうき雲

青くすんだ
空という紙に

神様がいたずら描きした
鉛筆のかすれたような
白い線が

あっちと
こっちから
どこからともなく
伸びてきて
交差する

この線達は
どこから来て
どこまで行くのか?

その道のりを
目でたどってみても
限りなく続く青い紙に
めいっぱい長く描かれていて
果てがない

その様が
どことなく人生に似ているなと
感じる

この世という紙に
人生という線を描くことで
その跡がその人の歴史として刻まれていく

人々の歴史が
刻まれていく過程で
色んな人と巡り会う
その際
線と線が交差し
歴史と歴史が
リンクする

そして
線と線は離れていき
人と人は別れていく

たった一度きりの交差
一度きりの短い出会いの線もあれば

何度も離れては
交差する
縁の深い出会いの線もある

似たような線を描き
寄り添うように伸びる線もあれば

あの線は真っ直ぐだったり
この線は曲がりくねっていたりと
異なる形状を描く線もある

いずれにせよ
どの線も果てがなく続いていく

紙いっぱいに
鉛筆の芯がなくなるまで
どこまでも


19/10/02 00:34更新 / アキ
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