月に帰りたい
日中の暑い気温とは
うって変わって
夜風が涼しく
しんみりとした空気の中
蛙の声が
心地よく響いてくる
晩ご飯の支度を終えた私は
雨戸を閉めに
外に出た
吹き抜ける風が
肌に優しい
ふと
空を見上げると
それはもう
見事な満月
夜の闇の中
淡い光を放ち
私の心をわし掴みにする
私は月を見ると
いつも思う
何でこんなにも
懐かしい気持ちになるんだろう?
ふるさとに帰ってきたような
昔の友人に再会したような
よく分からない
懐かしさが込み上げてくる
おそらくは
月は生きとし生けるものが
寝ている間に帰郷する場所なのだろうと
私は思っている
ある意味では
月は心のゆりかごのような
母のような温もりを携えている
月に帰りたい
なんて
宇宙人みたいなことを思うのは
私だけだろうか?
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