春嵐
ごうごう
びゅうびゅう
吹き荒れる
風の音
家が
がたがた
音立てて
今にも
吹き飛んでしまいそう
あぁ
うるさい
落ち着かない
春の生暖かな風が
うなる音
静かに
優しく
吹いてくれれば
心地よく
穏やかに感じられるのに
どうして
そんなに
荒れているの?
春うららというけれど
そのうららかさとは
うって変わって
この有様
自然は時に優しく
恵みをもたらすけれど
時に厳しく
災害と呼ばれるほどの
猛威を振るう
恵みを受ければ
感謝をし
災いとなれば
備えて
被害を最小限にするしかない
自然に対し
立ち向かうと言うよりは
受け止めること
この吹き荒れる雨風は
何をもたらしているか?
脅威か?
恩恵か?
雨風の音に
心をかき乱されて
私は落ち着かない
嵐といえるほどに
強すぎる雨風は
私にはとうてい
受け止めきれない
辛いな
私も過去において
この荒々しい雨風のように
色々な出来事が押し寄せて
受け止めきれなくて
心が折れてしまった
災難だった
と言えば
そうかもしれない
だけれど
不思議だね
今の私という畑は
経験という実りが豊かなんだ
初めは受け止めきれなかった
けれども少しずつ
過去を受け止めて肥やしにして
一歩ずつ前に
進んでいったんだ
そうしたら
いつの間にか
自分という畑がこんなにも
素晴らしいほどに豊作になったんだ
災難と思って
受け止めていた事が
今では
それほど災いではなくなっていて
むしろ恵みと感じられるようになっている
春嵐
私の人生は
まさしくそんな感じだった
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