光と影
影は
光に恋をした
暖かく
朗らかで
まばゆい光が
暗く
陰鬱な影に
癒しをもたらしてくれた
初めて感じる
その快楽に戸惑い
いつしか
常に光を求めるようになっていた
それが
恋の始まりだった
太陽を常に見つめ
気高く咲く向日葵のように
光を見つめようと
勇気を振り絞ってはいるけれど
あまりにも光が眩しくて
パッと見ては
直ぐに視線を逸らしてしまう
それがもどかしくて
自分の弱さが情けなくなる
それと同時に
瞬間だけでも見つめられた嬉しさに
胸を高鳴らせ
喜びを噛み締める
どうして
こんなにも光は
輝いているんだろう?
それが不思議で
ついつい
光に陰りがないかを探してしまう
影は知っている
辛さ痛み苦しみを
抱えていない存在なんていない
だから
光にもあるはずだと
そのはずなのに
光には
陰りが見つからない
何でだろう?
そうか
陰りはある
けれど
陰りを覆い隠してしまうほど
光が強いんだ
そんな光に
恋をしてしまった影
自分は
光に近づいていいものかと悩んだ
あまりにも
自分と違いすぎる
自分が消えてしまうのではないか?
または
光が穢れてしまうのでは?
そんな影に
私は言いたい
大丈夫だよ
光は影があって存在し
影は光があって存在する
表裏一体の
なくてはならない
そんな関係になるはずだよと
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