とある胸キュン話
じっと椅子に座って
ぼんやり遠くを見ていたら
誰かが
後ろから
そっと
両目をふさいできた
「だあれだ?」
そう問いてくる
君の柔らかな声
分からない訳ないだろう
「ばあさんだ」
振り向くと
やっぱりそうだ
いつもの見慣れた顔
聞き慣れた声
傍に寄り添い
支えてくれた
ばあさんを
忘れる訳がない
僕たちは
お互い見つめ合い
笑いあって
他愛のない話をして
二人の時間を過ごす
特別なことなんてない
ただ
傍にいるだけで
こんなにも
心が温かくなる
ばあさんは
そんな人だ
僕たちは
いつの間にか
一緒に歩いて
いつの間にか
手を繋いでいたね
これからも
ずっと
そうだろうな
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