心のリストカット
古傷が痛むときがある
それは
目に見えない
心の古傷だ
それがうずくとき
気がつけば勝手に
それを掻きむしってしまい
余計に痛く
苦しくなる
どうして
そんなことをしてしまうのか?
自分の胸に尋ねて
気付いたことは
古傷を掻きむしることで
安心感を得ているということだ
常に痛みと共に生きてきた自分
痛みに耐えていくうちに
それが通常化して
痛みがなければ不安になる
つまり
痛みイコール安心になってしまっていた
傷ついたときの記憶を想起して
古傷を掻きむしる行為
心のリストカットは
奇妙なほど心地よい
だけれど
とても危険な行為だ
なぜなら
古傷を悪化させ
さらなる痛みを助長させる
そして生み出される安心感が
さらに傷を招く
その悪循環に
私は危機感を抱いた
どうしたら
止められるだろうか?
安心感を得たいと思うほどに
ストレスを溜めないこと?
音楽を聴いたり
漫画を読んだり
リストカット以外の安心材料を試すこと?
とにかく
正しく安心を感じる
トレーニングをしなければ
ただ
無意識に行われるこの行為
止めるのは容易ではない
瘢痕化しているこの古傷は
おそらく
一生消えることはないだろう
だから
痛みを軽減する方法を探るしかない
強すぎる痛みは
平常心を失わせる
自分を保つため
少しでも幸せを感じて生きるために
痛みを軽くしていくこと
それは生きる上で必要なことだと思う
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