かあさんの手紙
「しばらくです 元気でやってますか」なんて
ある日突然 かあさんの手紙
あいかわらず字は達筆で だけどそんな文章に
あなたのぬくもり感じました
音楽家になるなんて 大それた僕の夢を
反対しながらも許してくれた
「やるのなら とことんやってみなさい」
「どうせ なれっこないんだから」
なんて口では言ってたけれど
それは
「もう後戻りできないんだよ もう逃げ道はないんだよ」って
やる気を与えてくれた あなたの優しさだと
僕は思っています
僕は思っています…
アスファルトジャングルにも もう春の気配
そんな時届いた かあさんの手紙
「この春 娘も無事 高校を卒業できそうです」
僕が田舎を出てから あしかけ三度目の春
都会の暮らしに追われて 夢なんて忘れかけてた
「あなたの選んだ人生だから がんばって」
なんて そんなあなたの手紙
思わず溢れてきて
もう僕もここまでかな ここまでの才能だったのかなんて
自分を慰めるための言い訳をつぶやく
一晩中泣きました
一晩中泣きました…
都会の暮らしに慣れた頃
ある日突然 かあさんの手紙
「からだを壊していませんか 三度の食事は取ってますか」
心配性なところは あの日のあなたのまま
流れゆく時の中で
どうぞ あなたは変わらずに
「疲れたら帰ってきなさいね 恥ずかしがる事はないんだよ」
って 届く手紙ごと書いてあるけれど
だけどもう1〜2年頑張ってみます 自分なりに
これも僕の人生だと きっとあなたも
わかってくれるでしょう
わかってくれるでしょう…
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