アカデミック

地方の大学の敷地内
僕は友達を訪ねに来た
するとすぐに思わず目を見張った
ガラス張りの教室が
地平線まで続いているから

そして曇った空へ手を伸ばすように
教室棟が幾千と建っている
でもそれではまだ足りないのだろう
校内は別のビルの工事でひどくせわしい

世界にはきっと勉強することが
山ほどあるんだな
僕はそれを見て回ることしかできない
取り返せない時間の一つ一つを
大学のコンクリートでできたオブジェに見て

そうした考えにひとたび手を引かれると
僕はそれを振り払うことができない
スイッチを入れたり切ったりするように
切り替えることができないんだ

今まで僕は何をしていたんだろう?
友達のことは頭から消えていた
生きていようが 死んでいようが
もうどうでもいい

25/12/04 00:17更新 / 南米こむすび
いいね!感想

TOP
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c