晴れたらいいな

傷心よ

今、
生まれ変わったならば
小さな布のてるてる坊主になりたい

高度成長期の貧しいアパートに
若いカップルが暮らし
西日の当たる窓の軒下に
優しい女の手で作られた

小さくて軽やかな
穢れない祈りよ
何気ない平凡な幸せよ

てるてる坊主は吊るされながら
冬の朝を思い出している

あの、長靴で霜を
ザクザクと踏んだ朝を
軒のツララが朝日に
煌めいていたことを








25/12/07 05:21更新 / 湖湖
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