おばさんの寛容性

それは少女の頃、
残忍な気持ちで
オスメスが輪につがったトンボ夫婦を
強引に引き剥がして別れさせたものだ
あの、少女特有の性に対する嫌悪よ

若い頃のセクハラは私を相当に傷つけたが
歳を重ねてやっと
エキセントリックさを
失えた気がする

愛猫の去勢をして宦官にしたやましさよ

それでも前の猫も今の猫も性欲を失わなかった
私が愛情深い声で可愛がると
ふわっと発情して
ソファに寝転ぶ私のふくらはぎに跨ってくる
そして、エッサホイサと
一生懸命に身体をこすり付け
思いを遂げようとモゾモゾする
結局、果たせないみたいだが
よく頑張っている
私は最初はちょっと気持ちが悪かったが
だんだんに気の毒になり
今や、太いふくらはぎを丸太のように
愛猫にお貸ししている
生類憐れみの令じゃないし
人類みな兄弟でもないが
これは寛容性で親切だと思う






25/11/20 22:09更新 / 湖湖
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