手に入らない
手に入らない何かを追い
夜の街に飛び出す
狩人の心も痩せて
人の温かさを恋しがる
夏の終わりの空に見つけた
柔らかな夕月よ
私の掌は開くと地雷地帯なのだから
遅々として能面のカタツムリの心よ
暑さは残り
あなたへの熱は
アスファルトから静かに
そして無駄に放散する憐れよ
ただそこにあり
愛が見返りではなく
燃焼を本願とするなら
赤ペン先生よ
黙ってくれないか?
ニヒルの岸にも吹き寄せ切らず
持て余したる我が命の泉よ
涙を鏡面に張り詰め
黙るのも
時を煮きったなら飛んでしまう
だから裸足の感触をせめて楽しもう
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