海辺の永遠
心象の海辺は沸点を待っている
潮騒は追憶に肩を貸す風に変わる
青春の悲しみは何十年の歳月に
磨かれたシーグラスとなり
私は砂浜の波の間から
あの頃の流せなかった涙の生まれ変わりを見る
叫びを抱き取り優しく撫でて
その破裂した剥き出しの心臓をあやした海よ
母のゆりかごよ
おまえは未来すら抱いて私を孵すだろう
ここは人生の舞台にして
透けた薄い紅色の花びらを萌え興す製造工場だ
甘くかぐわしき岸辺よ
降りそぼる花びらよ
生きてこそ波は打ち寄せ
リピートして、
身をよじり、
微笑んで、
さあ、もう一度始めよう
沈む太陽に乾杯のグラス鳴らし、
一刻にため息をついて、
万物に感謝する
珍しく無一物で謙虚になり、
そっと隣のあなたの手を握る
打ち鳴らされる晩鐘よ
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