耳にピアノを

耳にピアノを
蜂蜜がゆっくりと垂れていくような時間を
巻き貝のようになって眠る猫
焚き火なんかもいい
バチバチと燃える薪がたまにはぜる
窓の外は雪のそぼ降る淋しげな針葉樹林
野性のウサギの足跡が残る処女雪
雪印を数えて誰かに伝えたくなる膨らむ胸
子供時代の朝靄の初夏
鳥居のそばで突いたボール遊び
熱意を注ぎ生きることの愛を教えてくれた人

そんなことを植物人間と呼ばれるあの人は夢見ている

24/12/22 01:54更新 / 湖湖
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