カナリア
カナリアはもう歌わない
籠の鳥の悲しみよ
おまえはかつて愛した空への恋慕を
身をよじって歌った
自由の誇らしい明るさと風の愛撫にわなないて
生きていることの喜びが心に木霊する
真実を問うならパンとワインを其の者の心の炉にくべよ
夢を囁きあなたの耳に歌うのは罪だったか?
歌は去った
後には嘆きが不在の籠に漂っている
毟られた羽がハラハラとこぼれた跡を残して
愛は何処に逃げたの?
そんなふうに風ががらんどうの檻をすいている
24/12/20 01:46更新 /
湖湖
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