壺の底 乱れ書きのメモ
ネットカフェは暗い壺の底にいる気がする
いびきが高く聞こえる
いちゃつくカップルの女のいやらしい笑い声が響く
高速でゲームをやってキーボードを叩きつける激しい音
もしや激しい息遣いで自慰しているのだろうか
そんな男の気配もする
時々、独り言を口走る気が狂っている人の気配もたまにある
真っ黒い地の底の閉ざされた部屋はちょっとした地獄を思わせる
ネカフェ難民が根城にして肺炎がはやったニュースもあったな
転落した餓鬼の部屋に罪があって堕とされたのだろうか私は
美しいものに触れたいのに掃き溜めにいるようだ
詩人は地獄めぐりがよく似合うそうだ
地獄も旅なら一夜の夢、定宿にしちゃいけないよ
ここはまだましだがあそこはそうだった
ああ、それは口の端に上らせられないゾンビの口上だ
そんな風に誰か言ってくれませんか
私がお釈迦様の手のひらを走る孫悟空ならば
黄金の稲穂の草原を走る喜びだってあるはずだから
人生のダイナミズムは大地を踏みしめる祭りの怒号と嬌声と喜びの轟き
生きていると信じたい
そういやぁ、若いころ好きだったメタルのメガデスは
飛び降り自殺の空から土までの歌を歌っていたな
韃靼海峡を飛んでいくてふてふになりたいのに
冗談じゃないぜ、俺の人生
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