無題
鎖骨が泣いているの
鎖骨がほろほろと泣きながら
鳩のおしゃべりしているの
でも誰も聞いていない
卵ボーロを食べたくて
口が冬の指のささくれのようにさみしいの
冬の棚のラムネ瓶のように凍えて手持無沙汰なの
鎖骨は海に眠る無念の化石なの
恐竜には仲間がいたけれど
鎖骨は家なき子
棄てられた女だから
憐憫の藻屑が漂う海洋で
せめて独りであることが救い
海鳥の嘴に拾われて空を旅して
砂漠の薔薇のように巣に抱かれたい
23/04/09 08:53更新 /
湖湖
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