お彼岸の宴

ああ、お父さんが死んで
もう9年もたったんだ
ああ、時の経過はなんて早いんだろう
ぞくり、として我が人生を顧みる
お父さんは好きに生きて好きに死んだ
でも短命なのは嫌だよね
鮮烈に燃え尽きて若死にする人はいるけれど
若い頃はのんきで甘く、
太く短くではなく、太く長く生きたいわ、なんて思ったが
太く生きると短くなってしまう摂理を分かっていなかった
煙草は止めたけど
百薬の長などと言って酒はどうだろう
父は酒煙草で短命だった気がする
ほどほどに楽しく健康で長く生きたい
なんて言いながらごちそうに舌鼓を打つ
長寿遺伝子は飢餓遺伝子
小食に、一日一食とかにすると発動するんでしょ
御馳走三昧の酒池肉林じゃ早死にかぁ
困ったなぁ
死んだ人は人生を見せて
残った者たちに生きることの知恵を教えてくれる
葬式も儀礼も皆生きている者たちのためだ
良く生きる、良く生きる
老母は歳時記のように雛祭りや彼岸、季節の行事をやってくれる
それは深く生きる、よく生きる知恵を教えてくれて見習いたい
記念日を灯していつか燈火のすべてが消える日が来る
愛する家族が死んだ日、
私は耐えられるだろうか






23/03/19 22:28更新 / 湖湖
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