母の誕生日
母の誕生日を祝った
あと何回やれるか分からないな、
そう思ったらなんだかぞーっとする
母は毒舌の苦労人だけれどせめて喜ばせたい
焼肉をごちそうし、丸いケーキを買い、
真っ赤な薔薇と百合と芥子の豪華な花束を奮発した
あなたの名前に相応しいイメージで花を選んだわよ、
そうすると珍しく母は嬉しそうにして
花に酔ったようだった
そんな鮮烈な赤よ
お祝いをすること、人に喜びを盛ること、
プレゼントでもご馳走でもいろいろとあるけれど、
人にちゃんと喜ばれるものをあげるのは難しい
子供の頃、送別会で山盛りの餞別品を貰った
車から溢れ出すさまは壮観で感涙だった
そのなかで威風を放っていたのが、
大人びていた女の子からもらった長い手紙だった
その手紙が一番心に残ったことをここに記しておきたい
言葉の贈り物は一生懸命で誠実で愛があるから
知恵を絞って心を絞って
それは愛を絞っているのかもしれないね
詩を書くことも愛を絞っていればいい
さあ、そんなジュースをめしあがれ
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