生きてることって

子供の頃は東西の冷戦で
雑誌の裏の広告などには
核戦争用の防空壕が数千万円で売られていた
地震や原発などの非常災害事態を思えば
地下倉庫を持ってたくさんの備蓄をしたい

フンコロガシのように、
玉葱をあまた吊るし、
ジャガイモの麻袋を所有し、
たくさんの調味料や缶詰や
大量のパスタを米を貯め込みたい、
そんな欲を想像する

その防空壕に家族や誰とはいるか

ああ、猫の餌が無い
ああ、薬が手に入らないなぁ
暴漢が押し込んで来たらどうしよう
まんがの北斗の拳の世界だなぁ

ああ、それぞれの分野の人が分業して、
荷を運び、アマゾンから届いたり、
スーパーに並ぶよく洗われた土の付いていないホウレン草に
農家の人の労働が影の功労に光っている

あたりまえに奢って享受している世界が
壊れる地震原発の日は来る

第三次世界大戦も来るだろうか

ウクライナロシア問題でもう食料の危機が起こり始めた
物価高で電気を夜中につけるな、と母が怒っている

私が悲しいと思うのは
災害が起きた時の人災だ

何事も人災は人の悪で起こる

災害時の泥棒やレイプの頻発、怯える善人と暗躍する悪人、
人災ほど残念なことは無い
人が悪く無ければ起こらなかった被害で私は病気になった

傷だらけになると人はピカピカの愛を思う
必要は発明の母だから
戦後の復興のように
苦しみの中で
死に物狂いで手に入れようとすれば
やっといつの日か、叶うものがあるだろう
同じような心の人を探して
自衛して
かがり火として

私の特別な花を守るように

生活を武装する思いにはっとする

土壌をならし花園を作り、
地球を楽園に近づけるのが平和主義の都市造成なら
生活を守るために闘うことは戦争なのが不思議だ
分け合うことと取り合うことの狭間で
森のリンゴの木からリンゴが降り落ちる
土足で争う者たちの靴でリンゴは踏みしだかれる
リンゴは流血し地面は真っ赤っか

誰ももうリンゴを食べられない




23/02/19 18:31更新 / 湖湖
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