おかしなおかしなお話

あのね
お砂糖です
お砂糖を私にかけてください
つまり蜂蜜でもいいです
糸を引いて甘いのんびりとした一刻です

実は私は前世にお砂糖の妖精だったのです
人にお砂糖をあげるのが仕事でした

私は私の仕事が好きでした
特に、胸が痛い時にがんばると
お砂糖はますます甘くなったものです
しかし、重労働につまづいてしまったのです
なぜなら洗剤が焼餅を焼いて私にいじわるしたからです
あなたが私にお砂糖をかけてください

私は復活します

幾つもの瓶にお砂糖、お塩、コショウ、小麦粉に菜種油、おしょうゆ、
スパイスはシナモンにナツメグにクミン、コリアンダー、
棚の奥には干しシイタケや昆布、切り干し大根たち、
まだ続々いてそれぞれ
ぺちゃくちゃとうるさくみんなでおしゃべりしています
そして洗剤たち
私たちはキッチンの仲間たちです
愛されることを宿命にして
私達は協力したり競争したりしています

愛されないってご存知?
私にお砂糖をかけてください
眉根を寄せてお砂糖の妖精は訴えます

すると猫がその傍を通りました
彼は自由の戦士です
泣いているお砂糖の妖精を見て
そのお砂糖壺を手ではたいて倒しました
壺の中からお砂糖がたくさん零れます

あん!

ああ、そして猫はそ知らぬ顔をして行ってしまいましたとさ











23/02/06 22:21更新 / 湖湖
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