MRIに入った

生まれて初めてMRIにはいった
体をひもで固定されて、ヘッドギアのようなものをふたつ、
耳と顔につけて、
怖くなった時用のナースコールを握り
狭い筒のドームの中に吸い込まれた

まず、狭くて、マスクをして、呼吸がしにくくて
動けないぐらいタイトな感じで、
耳にはすごい音が聞こえ、
逃げたい、と恐ろしくて、
パニックになる自分を抑えるのに必死だった

あれはプチ拷問だね
もう二度とやりたくない

転げまわるほどに痛い病気などに掛ったら耐えられるだろうか
そんなことを思った

尊厳死なども思う
どんなになっても人は生きるべきなんじゃないか
と思うが、間断なく続く痛みに襲われたりしたら
飛び降りて死ぬ、とかは選択肢かもしれない
尊厳死を認めるのは怖い気がする
そこまで医療を信用したくないし、
途中で気が変わったら止められなかったりしたら困る
でも徳の高い、技術の確かなお医者さんを尊敬し、信頼したいものだ

泣きたいような気持で赤ひげを思う

昔、インドに友達と行った時、たぶん赤痢か何かにかかって、
ホテルのベッドで三日ほど痛みに転げまわっていた
その時、親友が掌でおなかを懸命に撫でてくれた
その手は聖女の手のひらのように効果があった
愛の手は効果がある
テレビ番組の「ためしてガッテン」かなにかで
科学的に証明されていたそうだ




23/01/30 23:37更新 / 湖湖
いいね!感想

TOP


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c