烏の群れ

烏の群れがガーガーと取り囲み
ここは背徳の空の下だ
私は落ち葉に寝ころぶ
ねじの抜けた感傷女のように
黒いバラの花びらを愛でては
そのバラの花びらを引き抜くのに夢中だ

ベッドの周りには烏がガーガーと値踏みしている

絹のような舌触りの
花びらを口に含んではうっとりし、むしゃむしゃと食べる

暗黒の美食よ

お父さんは愛してるよ、そう言ったけど、
家にお金を入れなかった

釣られた魚の物思いよ

男ってそんな感じかしら
私よく知らないの
ここは幻想の森、悪夢の森

あの男はほんとうに黒バラなのかしら
いばらの森を剣で打ち払いやってくる騎士はいない








23/01/19 23:27更新 / 湖湖
いいね!感想

TOP


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c