烏の群れ
烏の群れがガーガーと取り囲み
ここは背徳の空の下だ
私は落ち葉に寝ころぶ
ねじの抜けた感傷女のように
黒いバラの花びらを愛でては
そのバラの花びらを引き抜くのに夢中だ
ベッドの周りには烏がガーガーと値踏みしている
絹のような舌触りの
花びらを口に含んではうっとりし、むしゃむしゃと食べる
暗黒の美食よ
お父さんは愛してるよ、そう言ったけど、
家にお金を入れなかった
釣られた魚の物思いよ
男ってそんな感じかしら
私よく知らないの
ここは幻想の森、悪夢の森
あの男はほんとうに黒バラなのかしら
いばらの森を剣で打ち払いやってくる騎士はいない
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