暗号通信
暗号通信は蕭蕭として砂漠の言葉だ
やあ、元気かい、と
頭上に鳥が横切ったが
それが老いた鷲なのか、気まぐれな鷺なのか
それとも憐れに懸命なハチドリなのか、
判別するには私は底の分厚い特殊な眼鏡をかけていた
この眼鏡は元戦犯に贈与された、
自由にかけられるけれど外すことはできない
よく見えなくなる眼鏡として、
第一次大戦から秘かに使われていた
実は有名なものだそうだが、
ここは辺鄙な砂漠なのでそれもどうでもいいことだ
ある時、暗号通信で愛が届く
小躍りした私は愛を打ち返す
しかし翌日、ナイフの雨が降って、
私の乾いた肌は切り傷だらけだ
ナイフの雨を恐れながら、
愛の暗号を待つうちに首の長いサボテンになる
ああ、私はサボテンだ
愛を手に入れたとき赤く咲くという
太陽のキスを受けて咲くという
太陽の暗号通信はタイラント
私を説得し、全身を洗う、白い風を起こし
私を愛で征服する
ここまで夢想した後で、私はそっと泣いた
女は原始、太陽だったと誰かが語ったものだ
私を泣かせるアマテラスの恋よ
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