元旦は
朝早くから台所に立ち
遅ればせに筑前煮と
数の子浸し豆を煮て
螺鈿細工の重箱におせちを詰める
刺身を美しく飾り
ご近所さんからいただいた
南天や水仙と千両をシノワズリーの花瓶に活ける
さあ、スマホで琴を流して
祝箸を置き
とっておきの春画のおちょこで
新年初めの清酒で乾杯する
お正月の美しい支度に新年の心、
馥郁としてほろ酔いの朝
それぞれの食べ物や花、食器の謂われなど
会話に昇らせ膨らむ
時の豊かさにひたひたと感謝したい
お遊び華やかなる女になるのではなく
春画の皿をコレクションするおとなしい女になったものよ
江戸のおおらかさに憧憬して
男色の器などに自由を思い
さあ、恋の手管は百人一首で習った少女
恋文のさや当てが黒い玉手箱を引き当て
私はさあどこに行くのか
お婆さんになるなら満足して死にたいね
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