朝
春の朝は寒かった野原が緩み
落ち葉や落ち椿の腐敗が進み
ゆっくりと首をもたげている
水色の空に春風の子猫がくるくる、くるくる
夏の朝は霧が立ち
境内に幻か
鳥居の下
子供の鞠突きの音がおぼろに聞こえる
遠くに隆とした入道雲にみなぎる
自分を信じる力よ
秋の朝は晴れやかに
空高く雲の流れに物思い
贅沢であることと恋がチョコレート
果物に恋したり
猫に恋したり
山に恋したり
冬の朝は白菊に雪が積もって
眼を惑わせる清廉の白
耐え忍べば艱難辛苦の玉となりたいもの
昔誰かが、人生の手柄は
なりたい人物になることだ
そう教えてくれた慧眼
躊躇いがちの微笑みのように
あなたにご挨拶を
おはよう
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