人生の不具合についてどう処するか

宝石箱の奥にそれは美しい二連の真珠のネックレスがあります
かつての大統領夫人ジャクリーンケネディみたいに見える
母の若いころの真珠をつげ足して特注したものです
娘はそのネックレスを愛しています
でも、大切にして、使いません
似合わないのです
豚に真珠などともいいますし
キャリアウーマンでもなければ
お金持ちでもない
豪華で清楚で
この貧しい時代にも合いません
人がじろじろ見るでしょう
いい年をした娘はひそかに
悲しいなぁ、
一生つけずに終わるのかな、
そう胸に小さな穴があるように感じています
それを悔恨というのかもしれない
人目を恐れず
その真珠のネックレスをつけるべきでしょうか
笑う人がいても笑い返して
戦うものの誉は泥だらけで輝くのでしょうか
友愛は希少ですが
私はあなたにいつも微笑んでいます
降りこぼした涙で双葉が芽を出しました
花は必ず咲くわけではないでしょう
祈りは太陽を向き
月はそっと応援するでしょう
月に祈るとき
その祈りは霧のように霧散するでしょう
そんな時こそ
私はあなたの心と混じりたい
太陽と月の間で
太陽という果実をあなたと分け合い
かぐわしい蜜が手を滴り唇を濡らす夢を見ながら







22/11/27 01:58更新 / 湖湖
いいね!感想

TOP


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c