いつでも死ねる

人はいつでも死ねる

それは有り難い

人は脆いから

すぐ死ねる

すぐ死ねる

もっと死にたいと思うようになる

幾つもの死体を重ねて複雑にしたくなる

死というものを肯定したくて崇拝したくて

死神たちはケラケラ言いながら

死を生物の終わりとした

死に縛られ

死ぬことを恐怖する

これは人の勘違い

死は恐怖するものではなかった

強いていうなら畏怖するもの

そう崇める

神は死

無意識に

私たちは日々死に祈り捧げる

これほど簡単なことはない

人はすぐ死ねる

私たちは死を神としているから

死は優しく殺しの手を繋いでくれるだろう




24/03/19 17:31更新 / 那須茄子
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