死骸で着飾る、春

譜面のような形をした雲

イヤフォンを片手に
ずっと空を眺めていたら

飛び疲れた蝶々
私の掌に落ち
ぽつんと弾ける 

それは生命のほどけ目なのかしら?

音が撫でる余韻に
浸っていると

蝶々は四肢を
自ら結わえだす

きっと自らの命を悟ったのかな

せめてもの
生命の悪あがきを見せつけてくれた

出来上がったそれは

...綺麗な蝶々結びのリボンみたいに  

...上品な衣を着飾るみたいに

私はその亡骸をそっと髪に飾った




24/03/06 19:22更新 / 那須茄子
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