文学標本

上から見るか
下から見るか

はたまた
横から見るか
斜め上下から見るか

みんな身勝手な自由気ままを
持っている
読み取り方はそれぞれ
違っていたんだ

言葉にできないことを
あれこれ巡らせ
言葉だけに閉じた存在

言葉に言葉を重ねて
使い古された言葉にもまた
新たな意味が芽吹く

考えれば考えるほど
神秘的で不思議

読まれる一瞬一瞬に
言葉や物語は生き続け
創り続ける

不確かではっきりはしてくれない
手に取るように分かる気になった理想のかたち

あやふやだけど
自分にしか出せない言葉にして
伝えられたら

それはきっと
すべて文学のはじまり

見開き
一ページ目
序章

声に出して呼んで
目で見て記憶に残して
綴りだす今この想い馳せる




24/02/05 17:34更新 / 那須茄子
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