石ころ分の。
ぼんやりと霞んだ空を見てた
何かが終わったわけじゃないのに
終わりそうな気がして
足元に転がった石ころを蹴った
どこまでも飛んでいけ、なんて
どうせ響かない声で呟いた
風で僕のパーカーのフードが捲れた
意味もなく
世界に拒否されたみたいだ
冷えたコンクリートの感触
握りしめた拳の温度だけが
僕にまだ僕だと教えてくれる
何もない
何者でもない
そんな気がしてた
いつの間にか
辺りはオレンジ色になって
遠くの空に一番星が光る
さっき蹴った石ころは
誰かを転ばすものになるかもしれない
そう思うとなんだか
愉快になる
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