ユキドケ
君の髪が
冬の風に靡いた
赤らめた頬を
隠すように
冷たい世界が降りる中
ほろ苦いチョコを齧ったみたいな顔して
手に息を吹きかける少女
微笑むたびに
寒いねなんて当たり前のことを呟く
君の髪が
冬の風に靡いた
少し垂れた
鼻水を隠すように
銀色に囚われてた世界の中
無邪気にはしゃぐ少女一人
純白に染まる雪玉を
頬に擦りながら
寒いねなんて当たり前のことを呟く
君の髪が
冬の風に靡いた
潤んだ瞳を
隠すように
灰色だけが残された世界の中
体温が感じられない身体を
静かにそっと投げ出す少女
最後に
寒いねなんて当たり前のことを呟く
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