形骸
感情のせいにして
騙し合ったほうが
ラクじゃない?
「わたしらしさ」
なんてものが
いつも真実を曇らせる
心は透明な筐体
でも言葉にした途端に
刃になることばかりで
いつも閉じ込めてしまう
毒にもなる優しさを
投げつけてはすぐに後悔して
それでも
そばにいてほしくて
わざと理屈っぽく笑うんだ
夜明け前のベランダ
煙草より苦い夢を吸い込んで
「ほんとは誰だって」
なんて
傷口を擦るような慰めはいらない
本当は触れてほしかった
仮面の裏まで
無様な愛情こそが
生きる理由になっていく
不協和音の中でしか
踊れないから
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