マリアージュ・ディストーション
あれは甘い嘘
喉元でとろける毒のように
愛撫のフリをした傷跡が
まだ疼いてる――朝焼けの裏で
マリアージュ・ディストーション
君が残した
祝福の皮を被った咎だった
コンタクトもずれたまま
首輪に似たパールが肌に絡む
正しさを叫んでも
ベッドの上では意味をなくす
「愛が欲しかったんじゃない」
と誰かが言った
でも僕らはそれを信じた
信じたまま潰れていった
マリアージュ・ディストーション
交わした唾液で
神に見せかけた魔を孕んだ
夜が正解で
昼が嘘なら
抱いたその手に
祝福はもうない
「君が選んだのは 私じゃなくて理想だった」
マリアージュ・ディストーション
それは忘れることを愛と呼ぶ
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