退屈リセット
午後三時
時計の針が
あくびしている
ため息まじりの紅茶に
ビスケットは沈んだまま
そんな時
空がふっと笑って ぽつん
雨じゃなくてカエルがひとつ
緑のスーツでぴょこりん
「こんにちは」とウィンク
すぐあとを追いかけて
雲の隙間から
猫がすべりこむ
毛並みは虹色
声はまるでハミング
「ここ、退屈って聞いたから来たの」って
ふたりは床でくるくる踊る
ティーカップからラッパの音がして
部屋じゅうがカーニバルになった
気づけばぼくも
うたっていた
「退屈」って言葉の意味が
少し変わるぐらいに
TOP