三星の魔法使い

危険だからと確かめるほど
不条理にも壊れていき
近づくものと距離を保つだけで
離れていったと錯覚する

形にすれば丸くなる
優しさは痛みの裏返し

言葉でなければ伝わらないのは
みんな同じ魔法に
かかっているからだ
振る舞いに目を向けるのは
その魔法が切れていないか
不安で仕方がないからだ

息をするだけで
少しずつ死んでいく
今日を捧げたその身体は
明日を望んではいるのだろうか

ほしいもの1つ手に入れた
いらないもの2つおまけでもらった
1つはカバンに仕舞っておこう
残りは包んで君にあげよう

3つ並んだ冬の星
名前の無かった昔から
あの真ん中が特別だった
そしてきっと二人からは
あの真ん中は嫌われてる

冷えた手を合わせて
つぶやく呪文
僕らはみんな三星の魔法使い

19/12/13 22:49更新 / アンタレス
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