聞こえますか

喉に刺さった骨みたいな
ずっと気になっていたもの
でも抜いてはいけない
そこから泡になって消えてしまうから

人を好きになる必要なんてない
言葉に、それ以上の意味なんてない
皆で作り上げたお芝居は
最後に誰かの涙で台無しになった

今日は満月なのに
空も見えないこの街で
砂の城なんて建ててみても
崩してくれる波さえ来ないのに


聞こえますか
黒いグラス傾けて
昨日が響いた
明日は眠りについた

聞こえますか
まだ少しだけ温かい
君の最後の声
雨に熔かしてしまったよ

19/12/04 01:25更新 / アンタレス
作者メッセージを読む
いいね!感想

TOP
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c