どこかへ

更地になった保育園

かかとの一部になった蝉の殻

秋風の匂いにしがみつく古い希望

優しい和音が鳴る鈴

尊いものは星になってしまった

星は還元できない

それは頬に残った涙の遺言みたいな

ふれられない遠い世界で生きている

やぶけた心をそこへ送りたい

海の底で萎れた植物と手を取るために

静かに溶けきってしまいたい

24/10/02 21:03更新 / 深紺
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