教えてください
例えば唇の皮を一瞬で剥ききるような出来事が必要だ
もしくは枕元にある花瓶を崩壊させて破片で怪我をしにいくだとか
痛覚が色を持っていることを思い出さねばいけない
近頃は白や藍の鮮明さがひどく私を刺し続けていて不快だった
徹底的に失うことに注力するのも一つの手だった
でも私はまだ持つ愛しさから退くべきではないと思った
この気持がまた私の首に絡みつくから嫌だ
地面に落とされた仕方のない桜を目で追うことで時間を踏み躙った
結局ただどうしようもなく信じているだけだった
結局ただどうしようもなく体温を想像しているだけだった
ブルーやオレンジに記憶を透かして夜に噛み付き散々だった
節々に自分の人生を俯瞰して壊してみるのだった
私が原形を損なう前にやはり痛覚に訴えなければならないと思う
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