パリ祭は子供のときからの夏祭り
パリ祭は縁のないフランスの革命記念日だが
わたしは子供のときから家業のフランス菓子屋で
お祭りで騒いだからなんとなく
ハイカラなお祭り騒ぎにわくわくしていた
その日だけは解放されて
歩道にテラスも出していた
パリのカフェテラスのように
椅子テーブルを出して
市民に外でコーヒーを飲ませていた
スピーカーを外に出して
朝から一日シャンソンを流していた
なんとなく文化人たちはパリ祭に憧れる
がフランスではそれはただの軍事パレード
パリ祭は別の雰囲気で日本人には格別なのだ
奥の工場では
プチフールセックという小さなお菓子を作って並べた
それとコーヒーと紅茶をテラスでいただく
モデルの美人も来て
カメラマンたちも集合し
その日は撮影会もあった
親父の趣味のカメラで
仲間たちが集まる
青森出のミスユニバースに選ばれたモデルは
テラスにワンピース姿で座っていて
フラッシュを浴びていた
老人施設にいるおふくろから電話があった
今日は7月14日だよ
パリ祭じゃないかと
そうだな もう無縁になったが
ル・カトルーズ・ジュィエ
ルネ・クレール監督の映画になった
おふくろはそんなことも忘れない
懐かしいパリ祭!
それは遠い昔のお話だ
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