ローカルは時間がゆっくりと流れる
目まぐるしい生活から
旅に飛んだ
鈍行の列車は待ち合わせ
田舎の無人駅で上りを待つ間
使われない線路に生える
とぼけた雑草を眺めていた
時は止まったのではない
ゆっくりと廻っている
いままでが忙しすぎた
ようやく休息という旅の療養
わたしという病は
仕事と家庭から隔離しなければならない
でなければ無限地獄
終わりのない後始末ばかりしていて
都市に埋没している日々
帰る
いつか帰る
ふるさとは帰るところにあらずと
誰かが言った
それは出稼ぎから戻るとき
ゆったりとした風景が
自然のいとなみが
癒してくれる
田園も都会も憂鬱だった
それで行ったり来たり
時計は急に遅くなる
なににつけても速度は遅く
ふるさとの駅に降り立つとき
のんびり暮らすのも悪くないと
見慣れた町の静けさに
ゆっくりと歩ませる
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