フィールド

いつもフィールドから出られない
わたしの歩く町
わたしの日常の檻
わたしの桎梏の家族
そこから広がるためには
旅という出口しかない
人はどうしてか
会社という箱にいたり
愛という面倒な縄で縛られ
金欲のリードに繋がれて
その長さより動けない
どこかに逃げたい
いつもここでないどこかにと
そればかり求めてもがいている

それだから
たまには電車で遠く行ってみる
近距離の電車でいい
殻を押し広げてみる
行き先表示も見ないで飛び乗る
伊東 熱海 籠原 宇都宮
どこだっていい
遠く遠く自分を
ここから出してくれたら

フィールドは野原
殺伐とした荒野
花が咲き蝶が飛び鳥が鳴く
そんな自然の中ならいい
人間のいないところ
人が一番煩わしい
平面の領域を飛び越して
わたしはそこからどこに行きたいのか



24/07/08 05:25更新 / キム ヒロ
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